
石川県能美市の「CACL」が手がけるマテリアルブランド「KAKERA」は、福島県双葉郡双葉町で6月1日(月)に開業予定のリトリート型ホテル「FUTATABI FUTABA FUKUSHIMA」のエントランスのアートオブジェを制作した。
双葉町に誕生するリトリート型ホテル

「FUTATABI FUTABA FUKUSHIMA」は、大和ハウスグループの「大和ライフネクスト」が手がけるリトリート型ホテル。大規模なバンケット&カンファレンスルームを有する。

国産木材の温もりに包まれるスパエリアや2,000冊以上の豊かな蔵書が並ぶ別棟のライブラリー、地元の旬な恵みを堪能できるレストラン、地元に自生する植物群が彩る庭園などがあり、心静かに自分と向き合う時間をゲストに提供する。
「KAKERA」が制作を担当したアートオブジェは、エントランスに設置される。
作品制作の背景ときっかけ
「KAKERA」制作のアートオブジェオブジェには、福島県浪江町発祥で、300年以上続く「大堀相馬焼」の陶器片を活用。

大堀相馬焼の窯元「松永窯」を訪れた際の様子

大堀相馬焼の窯元「春山窯」を訪れた際の様子
2011年の東日本大震災によって避難を余儀なくされた窯元のうち、松永窯と春山窯という2つの窯元の協力を得て、現地から回収したかけらを使用している。
加えて、能登半島地震で生じた石川県の伝統工芸品である「九谷焼」の陶磁器片や白い和紙などを組み合わせて、互いに支え合って生きる「人々の姿」を表現した作品に仕上げた。
壊れたものや震災がなければ生まれなかったものを活用し、新たな価値としてよみがえらせることで、双葉町の未来を照らす希望への願いを込めている。

作品名は「Between Us」。
震災によって生じた陶片や土地の記憶を用い、互いに支え合いながら立ち上がる複数の柱として構成した作品になっている。

陶磁器片を貼り付けている支持体は、木製品の企画・製造を手がけるルーティヴのサポートのもとで共同制作。

異なる形を持つ断片は、町に生きる人々や、過去と未来、分断と再生の関係性を象徴している。

人と人、土地と記憶、その「あいだ」に存在する目には見えないつながりを形にした。
出来事と向き合い、つながりや可能性を形に
CACLの代表・奥山純一氏は、作品の制作について次のようにコメントを寄せている。
「日本は古くから、地震という大地の揺れとともに生きてきた国です。あらゆるものに神が宿るという感覚も、そうした環境の中で育まれてきた精神性の一つだといえます。地震は、日常の風景や価値観を一変させる出来事です。一方で、それまで当たり前だったものに問いが生まれ、新たな関係や文化が立ち上がる契機にもなりえます。私たちは、その一つ一つの出来事と丁寧に向き合い、そこから生まれるつながりや可能性をかたちにし、未来へと紡いでいく表現を続けていきたいと考えています」(一部抜粋)
ゆったりと過ごせる「FUTATABI FUTABA FUKUSHIMA」に滞在し、「KAKERA」のアートオブジェを見学してみては。
■FUTATABI FUTABA FUKUSHIMA
住所:福島県双葉郡双葉町大字中野字宮ノ脇1番1
HP:https://www.futatabi-futaba-fukushima.com
CACL HP:https://www.cacl.jp
(ASANO)